川口俊和さんのシリーズ3作目ですね。
『思い出が消えないうちに』
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舞台は東京を離れて函館へ。
私も一度訪れたことがある観光地ですが地理が分かると、より楽しいね。

停電のシーンでは黒いページに白い文字という斬新な演出。
紙媒体でその雰囲気を出すって面白い考え方です。

別な意味で以前読んだ村上春樹さんの弱視者向けの本もそうでした。
全ページ黒紙に白文字で文字が大きく、とても読みやすかったです。

それもそのはず、白紙に黒文字よりもヒトの眼はピントが合いやすいのです。
例えば真っ暗闇の中の星一点って見やすいでしょ。
軽い眼精疲労なら寝る前に星空を見るだけで楽になりますよ。

話は逸れましたが今回もいい話が詰まった連作短編集でした。
人間には、本来、どんな困難も乗り越えていける力がある。

それは、万人が等しく持っているエネルギーなのだが、時として、そのエネルギーは「不安」という名の蛇口によって、その量を制限されてしまう。

不安が大きければ、大きいほど、蛇口をひねる手に力が入らない。
力は「希望」によって強くなる。
それは、未来を信じる力といっていい。

この本を手にとった人が皆、希望を持てますように。